田舎暮らしの自給自足
わたしは20代の頃、田舎での自給自足生活にあこがれ、いくつかの有機農業団体で研修を受けたことがあります。それは、野菜作りがメインで、あとは現金収入の柱となる卵を得るための養鶏に関してでした。
その頃のわたしは、野菜作りに対して何か”農家”の人の特権的なもので、必ず研修を受けなければならないものと、堅苦しく考えていました。今になってから言えることですが、野菜作りにも2タイプあり、「販売を目的としたもの」と「自家消費を目的としたもの」があるということです。
前者に関しては当然、見た目や大きさ、糖度などといった指標が絡んできますが、後者に関してはそれらのハードルは低く、それよりも安全性や滋養・健康によいといった面の方が大切になります。
ですので、前者に関しては既に実績を上げている方の研修を受けることが必要になってきますが、後者に関してなら、自分に合っている”野菜作りの本”を片手に、とにかく種を蒔いてみる・苗を植えてみるといったことから始めてみたほうが、よほど早く習得できるのではないかと思っています。
まずは貸農園などから、気楽に始められることをオススメします。
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キウイには雄木と雌木があります。銀杏と一緒ですね。実がなるのは雌木だけなので、花粉のためだけに雄木を植えます。
隣の畑にもキウイの雄木を植えているので、自分の畑には雄木を植えなくてよいのですが、そうはいきません。ちゃんと雄木も植えます。そうしないと近所つき合いが難しくなります。
初夏には花が咲きます。白くかわいらしい花です。虫が勝手に受粉をしてくれるのですが、もっと確実にするために、筆を使って受粉させる場合もあります。これをすると、確かにきれいな形のキウイばかりになるような気がします。
花びらが落ちしばらくすると、多すぎる実を落とします。これを摘芯といいます。養分が分散してしまうのを防ぐためです。そして出荷用には実を大きくするためのホルモン剤をつけます。
夏の間にどんどん大きくなっていきます。葉の形といい、実の形といい、キウイの木の下にいると異国にいるような感じになります。木といってもツルです。支えをしないと倒れてしまいます。
果実は名前のとおり、ニュージーランドにいる飛べない鳥 ”キウイ”そっくりです。うまく作れば一つの木から、すごい量のキウイフルーツが収穫できます。秋が来て収穫です。
この時点ではまだ食べられません。食べようとしても、まだ固く酸っぱいので、とても食べられたものではありません。熟成させなくてはいけません。熟成にはエチレンを使います。
ビニール袋にリンゴとキウイを入れて密閉しておけば、リンゴからでるエチレンで熟成します。さわって柔らかくなったら食べ頃です。同時にリンゴも食べられます。
採らずに木に残しておいたものは、勝手に熟成しているので、畑に行ったら採って食べます。とても甘くておいしいです。大きさは関係ありません。
増やし方は簡単で、剪定した枝を鹿沼土に挿しておけば、いつの間にか根が出ています。根が出る前に芽が出るので、見極めが難しいです。根が出ていないときに抜くと枯れます。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用
みかんも手軽に収穫できる果物の一つです。植えておけば難しい管理や剪定などしなくても、冬には実ってくれます。ただし、甘いみかんにしたければ、それなりに手間をかけなくてはいけません。
たまに白い綿毛のような虫が付くので、殺虫剤を使うこともあります。あまり木を大きくしなくても、これでもかというほど実がつきます。
みかんといえば炬燵(こたつ)です。みかんをかごにいっぱい積み上げて、炬燵に入って手が黄色くなるまで食べます。消毒していないので安心です。皮も何かに使えればいいのですが、今のところ使い道が思いつきません。
寒い地域では、冬にみかんの木に藁(わら)を巻いて霜が直接付くのを防ぎます。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用
ビワはいつも青々と茂っていてとてもおいしそうです。ビワの葉は漢方にも使われていて、ビワ茶にして飲むとよいそうです。
ちょっと調べてみたところ、便秘、風邪、糖尿、・・・など様々な症状に効果があるそうです。こんなにあるとは知りませんでした。
冬の間に花が咲きます。地味な花です。ビワも年によって実のなり方にムラがあり、大きくて甘いのができたり、小さくて水っぽいのができたりします。
ほとんどほったらかしです。柿と同じように、畑仕事をして小腹がすいたらとって食べます。皮をむいて口に放り込んで、口の中で種をより分けて種だけ出します。種は2,3個入っていますが、結構大きいです。種を植えておくとほぼ100%芽が出ます。ビワはいくら生えていてもうれしいものです。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用
柑橘類というのは、成り年と不成り年が顕著に表れるものらしいです。そういうことを考えながら剪定しなくてはなりません。
盛んに栽培されているゆずは、柑橘類の苗木に、ゆずの芽を接ぎ木したものがほとんどであり、うまくいけば植えた翌年から実を付け始めます。実はそこそこの大きさで、香りも艶もよく、申し分ありません。
ところが、ゆずにも原種があって、詳しくは知らないのですが、田舎の山奥にゆずの原種の林を代々守り続けている村があるそうです。そこのゆずは夏みかんほどの大きさがあり、香りも比較にならないほど強く香り、味も素晴らしく芳潤だというのです。そのゆずは、とてもゆずの木とは思えないほど大きく伸びた木になっています。収穫するのは大変です。
もはやゆずの木ではありません。新種の柑橘類といった方が良さそうです。このゆずは種から育て、山の中という環境で大事に育てたものです。
『桃栗三年柿八年、柚は九年で成り盛る、梨の大馬鹿十八年』という言葉があるように、種から芽生えて(実生といいます)実が成るようになるには、それぞれかなりの時間がかかるのです。
これを人の知恵で、接ぎ木や挿し木などといった工夫をして、早く大きくたくさん実を付けるようにしていきました。そして現在その恩恵にあずかっています。ありがたいことです。でも時間をかけてゆっくりと実を付ける原種にかなわないところがあるのも事実です。
ゆずは基本的に香りを楽しむものです。青いうちから熟すまでいつでも楽しむことが出来ます。ゆずは全く捨てるところがありません。
例えば、青いときには薬味として使い、黄色く熟してからは薬味としてははもちろん、ジャムにしたり、柚風呂に使ったりします。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用
柿には、「なり年」と呼ばれる、驚くほどたくさんの実がなる年があります。だいたい隔年です。
柿は植えておきさえすれば、秋には勝手に実をつけてくれます。おやつ代わりに木からもいで、そのまま食べます。もちろん剪定すれば、毎年一定の実をつけてくれます。しかし基本的にほったらかしでいいのです。
実のなる木を庭に植えてはいけない、といわれていますが、本当かどうか分かりません。裏の空き地に植えておけば、何かと役立ちます。
柿の木はとても折れやすく、木登りには気をつけなければなりません。太そうに見える枝でも、体重のかけ方を間違えば、ポッキリ折れてしまいます。小さい頃、柿の木には上ってはいけないとよく言われました。
ところで昔の人曰(いわ)く、柿の実は、木の一番上、真ん中、下側のどの部分を採るべき、といっているでしょうか?
正解は真ん中です。それはなぜか分かりますか?木の中程になっている柿の方が甘いからでしょうか?
いいえ、違います。昔の人は、柿は自分だけのものと考えなかったのです。つまり、木の上の部分の実は、これから来る厳しい冬を思い、鳥の餌としてとっておき、下の部分になっている実は、旅人がとって食べられるようにと、採らずにおいておくのです。
だから持ち主は、木の中程になっている実だけを採ります。昔の人は思いやりがありますねえ。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用
自給自足といえば、薪は基本ですね。毎年冬になると山で木を切り、薪を作ります。冬の間に一年分の薪を作ります。意外と重労働です。
主にお風呂を焚くためですが、暖房にも薪ストーブが使えます。調べてみると、ただ単に薪を燃やすのではなく、2次、3次燃焼させたり、触媒を使って完全燃焼させたりと、かなり凝った仕様のものがあり、驚きます。
あとは割木にするだけなのですが、これが一番楽だったりします。慣れないうちはしんどくて、すぐにやめたくなりますが、慣れてコツを
つかんでくると全く疲れません。
斧(おの)を振り上げて落とすだけでスパンと割れます。慣れない人は、とにかく力任せに振り下ろすので、的も外れやすく、すぐに疲れてしまいます。
使う斧は柄の長さが1m位のものがよいでしょう。小さい手斧ははっきり言って使い物になりません。手斧を使う場面があったとしても、鉈(なた)の方が使いやすく応用も利くので便利です。
もちろん斧も鉈も使う前にはよく研いでおきます。切れが全く違います。その方がよけいな力を入れなくて済むので、楽に仕事もでき、怪我もしにくくなります。
板前さんや大工さんは道具をとても大事にします。そして研ぎに命を懸けています。研ぎの修行だけで何年もかけるのです。使う砥石は数百万円もするものもあるそうです。
しかし近年、良質の天然砥石が取れなくなってきているので、刀研ぎ師などは全国探し回っていい砥石をかき集めているそうです。
台所にある包丁を、安い砥石でかまいませんから一度研いでみてください。料理が楽しくなるはずです。
薪を割るときは、大きな丸太を台にして、その上に割る丸太を置きます。そして斧を振り上げ、落とします。ねらうところは丸太の中心です。直径15cm位なら簡単にまっぷたつに割れます。それより大きくなると少しだけ力を入れます。ちょっとだけです。しかし丸太も根に近い部分や、節があるところではなかなか割れません。そういうときには仕方ないので力一杯振り下ろします。それでもたまに、はじき返されるときがあるので、斧が頭に当たらないよう気を付けなければなりません。
慣れてくるといろんな割り方ができます。丸太を寝かせたまま割ったり、丸太を一度も倒すことなく細かく割ったり、早割をしてみたり・・・結構遊べます。
丸太を薪にできたら、雨に濡れないように屋根の下に重ねます。
この一連の作業を薪が十分できるまで続けるのです。テレビでよく見る薪割り場面、実はあれが薪づくりの中で、一番楽な仕事なのです。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用
太陽光発電とは、太陽電池に太陽光を当てることで発電させるものです。太陽の光のエネルギーはとても大きく、計算上は1メートル四方の面積に当たる太陽光のエネルギーは約1000Wもあるそうです。
具体的に言えば、1メートル四方の太陽電池一枚で21型ブラウン管テレビ(消費電力約100W)が10台も一度に見ることができるのです。しかも太陽光が当たり続けている限り!
しかし残念ながら、太陽の光が地上に届くまでに、空気中の水分やチリなどにじゃまされることや、今の技術で製造される太陽電池の効率などを含めると、実際には太陽の光エネルギーの10分の1しか電気に変えることはできません。つまり効率は10%となります。
でも1メートル四方の太陽電池1枚で1台の21型テレビを見られるなんて、すばらしいではありませんか。
しかも各メーカーが太陽電池の効率アップと低価格化に取り組んでいます。将来、各家庭で太陽光発電が当たり前のように行われることでしょう。
「年収100万以下で悠々自給田舎暮らし」から引用

