田舎暮らしの基礎知識【権利関連】
広い土地がほしいけど予算が足りない、という人もいるでしょう。また、自分の代に使うだけなので所有権は必要ない、という人もいるはずです。そこで借地という選択肢が出てくるのですが、建物所有を目的とする借地権は地上権と土地借地権の2種類に分かれます。
地上権は物権の一種で、所有する権利はないものの物として使う権利が付与されています。ゆえに設定者の許可なしに、自由に権利を売買できます。一方、土地借地権は債権の一種。その権利を売買したり、違う人に又貸しすることも可能ですが、その際は設定者の承諾が必要になります。田舎物件で地上権売買、借地権売買が行われるのは信州などの別荘地帯に限られるので、普通の田舎では年いくらで土地を借りる借地権に絞って考えていいでしょう。
住宅を建てる場合は土地所有者からすぐに返せといわれても困るので、通常は借地権登記を行い、期間の定めがないときは一律30年の存続となります(その後の更新は1回目が20年、2回目以降が10年)。これが普通の借地権で、正当な理由がなければ返還に応じなくてもかまいません。これとは別に存続期間を50年以上として原則的に契約更新しない定期借地権もありますが、田舎で適用例は少ないです。
建築目的ではなく、農地などを借りる場合も正式に契約、農地法手続き、借地権登記までやれば安心と都会人は考えるかもしれません。しかし、それに応じる農家は少ないです。というのも、正式な手続きを踏むと簡単に返してもらえなくなったり、持ち主の農業者年金が受け取れなくなる可能性があるからです。そこで、「ヤミ小作」で紹介した作業委託で借りる方法が出てきます。農地の借地料は反当たりせいぜい年間1〜3万円程度であり、所有者に配慮せざるを得ない場面も出てきます。何でも正式を望むのは、田舎では難しい面があるのです。

