田舎暮らしの基礎知識【境界関連】
田舎物件は公簿面積と実測面積が一致しないケースが多いです。公簿より実際の面積が多い場合を「縄延び(なわのび)」、その逆を「縄縮み(なわちぢみ)」といいます。後者は実際より狭い土地に対して租税を高く払っても小作料を多く集めたほうが得策と考えた昔の地主の仕業でしょうが、事例はそんなに多くありません。田舎物件で圧倒的に目立つのは「縄延び」で、山林・原野では実測が公簿の数倍に達しているケースすらあります。登記簿で3500坪の土地が、実際は8000坪もあったりします。これは明治時代に地租改正を急ぐあまり、稚拙な測量をしたためです。
当時は形の不規則な田畑でも長方形に見立て十字に荒縄を張って測定する十字法、すべて三角形に分割して測定する三斜法などが採用されました。測量はおもに人民が行い、少数の役人が検査するやり方。その際、過少申告して税金を安くしようと、計測に使う縄を故意に長めにしました。それで縄延びという言葉があるのです。当時の測量技術がそれほど未熟だったわけではなく、政策を優先することにより「人間の欲」が絡むと、こういう現象が起きてきます。
田舎の土地は単価が低いため、測量せずに取り引きする公簿売買が主流。都会人は数字でものを考える習性が強く、とまどいを覚えるようです。しかし、いくら面積が増えても使えない傾斜地が含まれていれば意味はないわけで、田舎物件はなるべく現物で判断したいものです。なお、国土調査が行われた地域では、縄延びは起こりにくいようです。
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