田舎暮らしの基礎知識【農地関連】
新規就農するには、農地を買わずに借りる方法でもかまいません。ただ、3条申請をすることが前提で、農地は通常、5反歩以上必要になります。農地の借地料は反当たりせいぜい年間2万円以下なので、土地にかかる費用も少なくて済みます。こう書くといとも簡単に農家になれそうですが、現実はそれほど甘くありません。
日本では遊休農地が増え、全農地の約1割に達しています。とくに山村ではその割合が高く、農地を貸してくれる農家を探すことは難しくはありません。ただし、3条申請を前提とした場合は話が別です。借地権の登記をすると農業者年金の受給に支障が生じる、農地を容易に返してもらえなくなる、返してもらっても借地権登記の抹消が面倒、といった理由で嫌がる地主が多いのです。
都会人の中には5反歩以上の農地を耕す自信がない、自給自足が目的だから広い農地は必要ない、という人もいるので、貸し主と借り主の気持ちが一致することになります。めでたしめでたし、といいたいところですが、これは立派な法律違反。ヤミ小作といって、正規の手続きを踏んでいない小作人とみなされます。農地法において小作権は強く、仮に地主が第三者に売却しても三条許可の取り消しまたは無効確認を求める行政訴訟ができるほどです。農地の賃借にはこういう難しい問題も絡んでくるので、本当の小作人になる道は険しいものです。
もっと低いレベルで家庭菜園を目的に小さな畑を借りる場合、農地に草が生えないよう管理するため「作業委託で借りた」ことにする方法も考えられます。その旨を書いた紙を渡せば地主も安心ですが、実際にそこまでやっている事例は少ないです。やはり農業と自給自足は分けて考えた方がいいでしょう。
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